溝口「溝の口駅西口商店街」 ヤミ市横丁研究所






Last updated 2018-07-09

第5回 溝口「溝の口駅西口商店街」



なにやら溝口に魅力的なヤミ市横丁があるとかないとか噂を聞きつけ、
いてもたってもいられず、井上と中島でやってきてしまった。
溝口は、川崎市高津区にある世田谷区に隣接する街である。
渋谷駅から田園都市線で約20分。急行なら12分。


田園都市線沿いの街・・・ 小奇麗な新興住宅地のイメージである。
溝の口駅の駅舎を出ると、そこはペデストリアンデッキ。
駅の傍には1階にタリーズの入った洒落たビル発見。
ここまでは街のイメージ通りなのだが、
しばらく西の方へ歩いていると、衝撃的な光景が現れた。
看板には「お買い物は皆様の店 溝の口駅西口商店街」とある。


看板の左下には闇市の露店を思わせるクリーニング店がポツンとあり、
その周りには不自然な空きスペースがあり、そのスペースを挟んで、店が連なっていた。
クリーニング店のおばさんに話をお聞きすると、クリーニング店のまわりには
かつて店が連なっていたが、2007年に放火によって8店を焼かれてしまったそうだ。
その放火にあった店は再建されることなく、植樹スペースとなっていた。
前身が不法占拠のヤミ市であることから再建できなかったという。


溝の口駅西口周辺地図

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商店街には現在20店程の店が連なっている。
ヒアリング調査の限りでは現在並んでいるお店にヤミ市時代からのお店はなく、
全て戦後しばらくたってから開業されたケースがほとんどなようだ。

ヤミ市起源の商店街と言うと、盛り場一色と化しているところが多いが、
この商店街には和菓子屋、八百屋、古本屋などもあり、昼間も明るい。
放火前には、鮮魚店や蕎麦屋などもあったそうだ。
川崎市史によれば、終戦直後は100店舗ほどの
食料品を中心とした店が並ぶヤミ市であったという。




1軒、入ってみることにした。居酒屋の「いろは」さん。
多くの常連さんは立ち飲み。
店の軒先で立ち飲みをしている人が大勢いる一方で、店内は空いていた。
ホッピー、お通し、タマゴサラダ、やきとり数本を注文。
タマゴサラダにはリンゴのスライスが入っていて、家庭的な味だった。
やきとりは全て美味!しかも会計が激安であった。


調査の様子


店を出た後、ほろ酔い気分で古本屋「明誠書房」さんに突撃。
古本屋の店主から普通の客ではないことを一瞬で見抜かれ、
「なんなんだ思えら、変ってるな、変人!ん?大学時代に2人とも都市工学勉強してた?
はは~ん、ベースはあるだなぁ!その上でそうゆうおかしな活動やってるのか。え?HPあるの?見せてよ!
・・・俺は大学時代法学部でな、当時天地真理が大好きで、それでな・・・」
なんとも言えない魅力をお持ちの、不思議な店主さんであった。
(向こうも我々のことを不思議そうに見ていたが)
あれよあれよと、1時間弱3人で話が続いてしまった。


いやー、ほんと素晴らしい溝口の方々に出会えた充実の調査であった。
この街は盲点だったね。ホントまた来たい、っていうか住みたい。
中島も井上も溝口に移住したいという願望を抱いた点は共通していた!
また近いうちに溝口を訪れよう!!